SUキャブのセッティング

僕のバイクに付いているSUキャブです。普段何気なくセッティングしていますが構造をよく分かっていません

今回は様々な文献をあさり構造や調整の仕方を勉強していきましょう。

ベルヌーイの定理とは・・・高速で流れる流体の周辺では圧力が低下すると言う事です。ようは圧力低下によってまわりの物が引き寄せられると言う事ですね。

リベラのエリミネ―ター2というキャブです

みなさん結構ハイパフォーマンスなキャブに変えるんですが、このキャブだって結構素敵なんですよ。

ベルヌーイの定理を利用したシンプルにて実に巧妙なカラクリを備えているんです。

そんなこのキャブレーターを今回見つめなおしてみようと思います。

一番右のネジを外し上部よりオイルを入れるっていう構造です。

負圧ピストンが収まっているサクションチャンバー及びオイルダンパー関係です。

ココの部分もなかなか画期的に出来ています。

オイルダンパーとコイルスプリング。まるっきりサスペンションなんですね。

ココの機構を説明すると・・・(某紙参照)

チャンバー室内の負圧によってピストンが上昇し、負圧とピストンにかかる万有引力とコイルスプリングのバネの力が釣り合ったところでピストンは上昇を止めようとするが、等加速運動に働く慣性の法則によってピストンはすぐに止まらない。そこで働くのがオイル式ダンパーなのである。

・・・とのことです。(なんとなくしか理解できず・・・)

ちなみにこのサクションチャンバーとピストンのクリアランスってのもちゃんとあって(結構シビア)、どっちかがダメだからダメな方だけ取りかえるってのも上手くないらしいです。ダメなら両方取り替え。

編磨耗している場合も多く、調子悪さの原因となることも多い個所です。定期的な分解清掃と、シリコン系でのグリスアップ(べっとり付けすぎると逆に調子崩します)が必要です。

真中のがニードルジェットです。取り外しの際は向きを間違えないようにしましょう。三角の印が写真の位置を向くようにしましょう。

あとニードルは最後まで差し込んでから固定しましょう。

ピストンですね。開いてる2つの穴!この不思議な入り口がまた上手く出来ているんです。

ココの機構を説明すると・・・(某紙参照)

ベルヌーイの定理によって負圧を生じさせる為の穴なのです。
この穴からサクションチャンバー内の空気をベルヌーイが引っ張っているのです。
その為にチャンバー室は負圧となり、この負圧とピストンの重量、スプリングのバネの力とが釣り合った所でピストンは固定される。
流速が上がればピストンは引き上げられ、ベンチュリー部を通る流速はいつも一定に保たれる仕組みなのです。

それに伴いピストンについているニードルジェットのテーパー具合が混合比を上手く引き出しているんですね。

ティクラーポンプです。始動時にこのポンプで強制的にガソリンを送りこめる為、始動性がいいのもこのキャブならではデスね。

仕組みとしてはこのポンプでフロート室内の気圧を上げ、メインジェットからガスを押し出すといった感じです。ポットみたいですね。

ココのゴムカップが傷んでいると、ガソリンが送れません。(この場合空気が送れないって書いたほうが良いのかな?)

ゴムカップもシリコングリスを塗って組みつけましょう。

スロー系とでも言うんでしょうか?(パイロットジェットとか無いんで分からないですが)

バタフライを挟んでバイパス経路がもうけられています。

詰まりがないかパーツクリーナー等でチェックしましょう。

(マニュアルないだけに確かな事がわからないですねえ・・)

エアベントでしょうか?ココの3箇所も繋がっています。パーツクリーナー等でチェックしましょう。

(やはりマニュアルないだけに確かな事がわからないですねえ・・)

SUの可変ベンチュリーうんぬんかんぬんは飛ばして簡単な混合気の原理を書きます。

ピストン下に付いているニードルジェットがテーパー状(先細り)になっているために、ピストンが高い位置にあればメインジェットを塞ぐ面積が減りより多くのガスを引き出し、低い位置にあればジェットを塞ぐ面積が増える為にガスは少なくなる。

この事を踏まえて考えます。

セッティングなのですが、SUの構造と言うか特徴と言うか、アイドルから高回転まで、ココだけで調整します。

・・・っていう言い方をすると誤解を招きますね。

メインジェットやらニードルジェットは最終的なお好みで選んでもらうとして(基本的には買った時に付いてる物でOKですよ)
通常のセッティングを書きます。

 上の写真左のネジを回す事により写真右のメインジェットの高さが上がったり下がったりするのです。
具体的に書くとこのネジがフロート室内の板バネを押したり引いたりしてメインジェットの高さを調節しています。

ちなみに左に回すと(半時計回り)メインジェットが上がります。よってガスは薄くなります。(図1参照)

右に回すと(時計回り)メインジェットが下がります。よってガスは濃くなります。(図1参照)

図1

方法としては締めこんだ位置から徐々に緩めていき、アイドリングが一番高くなる所を探します。で、OK。

*このセッティングですがやはり暖気がしっかり終わってから行いましょう。

*暖気が終わった状態でもプラグがかぶっていては、調子が出せません。

暖気が終わった時点で一回プラグ掃除するのもいいかもしれません。

ココからはセッティングのバリエーションとして考えてください(無理しないように・・・)

その他としてはダンパーオイルの粘度を変えるなどの事をしてもセッティングは変わります。

これは強めのコイルスプリングに変更と同じような効果ですね。

しかし低速時などハーレ―では「逆にオイル入ってない方が調子いいんじゃないか?」などと思えたりもする・・・。あんまり硬いオイルは僕の経験上うまくない・・・気がするのである。

ちなみに僕はシリコン系のオイルを使っています。(特にこだわりありません。たまたま家にあったからです。)

結構アバウトな方法に見えますが、この方法はミニのチューンでは結構行われているのです。

ニードルジェットも様々な種類があり、色々な物を試すのも面白いのですが、

自分で紙やすりを使いテーパーをオリジナルにするのも手です。

先部分を更に細くすれば、高回転時の混合気は濃くなりますし、根元部分を細くすれば低回転時での混合気が濃くなります。

また、その他としては、メインやニードルジェットの組み合わせはもちろん、エアクリーナーをファンネルに変え空気の流速をさらに早めピックアップを良くしたり(この場合でも結局はバランス取らないと意味無いんだけどね。ゴミも吸うし・・・)する方法もあり、組み合わせとしてはかなりの量のセッティングを楽しめます。

物足りない方は色々とチャレンジしてみるのもいいかもしれません。

SUに関してまっちゃんがかなり詳しくやってくれました。

各部の分解写真、構造等こちらを参照していただけると分かりやすいかと思います。

まっちゃんのSUキャブのページ・・・ 「SUキャブレターの構造と解説」

まっちゃんのHP・・・「或ル弐輪車ノ旅ニ関する關スル伝奇」

・・・ここまで親切に写真載せてるとこってあんまりないと思いますので

非常に勉強になります。まっちゃん有難う。


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