パンヘッドの腰下OH

さて54パンヘッド。
シリンダーまでばらしてみたらコンロッドに少々ガタがありました。
コンロッドをもって振ったところ上下にガタを感じなかったのですが(完全に脱脂しなかったからなのですが)
左右の触れがスモールエンド部分で3mm強ありました。
正直「このくらいはいいんじゃないかな?」とも思いましたが。。。。
まあ部品点数も少ないし。「やらないか?」だし。
フライホイール自体の構造はショベルだろーがパンだろーが一緒なので直すことにしました。。
とりあえずクランクケースを割ります。
これは前にやった1340へ排気量アップの時と一緒だな・・・って思ったので分解のやり方省きますね。

強いて言えばこのパンは54年の為かクランクケースに圧入されていなかったので階段下プレス機は必要なかったです。
ケース割れば取れました。(ドライブシャフト側がニードルベアリングの為)

ピニオンシャフト、スプロケシャフトのスペーサーやベアリングはきっちり分けて保管しましょう。
クランクです。こいつを割ります。

クランクピンのナットを外すのですが、これには大きな万力が必要になります。
そんなの無いので大型旋盤借りました・・・・

もう既に素人として通常持っていない道具の登場です。
腰下はプロに任せたほうがイイと言われる所以なのでしょう・・・


クランクピンナットを外します。
ものすごーいトルクでしまってました。
33mmのソケットが使えました。

さて次にフライホイールを割るわけですが
ナットを外したクランクピンの上から軽くナマリハンマーでたたけば落ちるのかと思いきや
外れそうも無かったです・・・
ですのでなんかで上から押そうとするのですが・・・・
どうにも押しにくいです。
で、ナイネンキ屋さんに行ったら金属片とU字に穴の開いた板とプレス機があったので
有無を言わさず拝借します。
やはりこのような道具がないとバラス事すら困難になってしまいます。。。たいした作業じゃないのに。

下の図のようにセットします。

で、圧力をかけていくと。。。
割れます。

こんな感じですね。
コンロッドはフロント、リヤ2本からなっていて、
リヤのコンロッドに挟まれるようにフロントのコンロッドがセットしてあります。

ちなみに勝手な予想なのですがなんかコンロッドにしろなんにしろパーツが新しいんですよ。
これは組んでそんなに走ってないのでは?
失敗してるのでは?
雑然と置いてあるように見えますが各部分のベアリング、スペーサーは混ぜないようにしてあります。
これでもどれがどれだか解かるんです!!僕は!
いいんです!

さてばらせた所で計測です。
まずはクランクピンです。
下図のように3箇所各十字に2パターン直径を計測しました

1/100以下の誤差なのでヨシとします・・・
平均値31.718


で、コンロッドのビッグエンドの内径もやはり数箇所にわたって計測します・・・・
リヤのコンロッドピニオン側
41.290
41.280
41.280
平均値41.283

リヤのコンロッドスプロケ側
41.300
41.298
41.302
平均値41.300

フロントのコンロッド(内側のコンロッド)
41.286
41.285
41.285
平均値41.285

つまりビッグエンドの内径は若干片べりしているということになる・・・

ちなみにビッグエンドのベアリングは・・・

長いの17個短いのが両側に17個
計51個なのですが
いづれも4.753〜4.755でした。

つまりビッグエンドのクリアランスは0.07程あった事になりますね。

ちなみにベアリングの標準サイズの直径はショベルは4.762なのですが、パンは?
とりあえず現状1/100以内の差なのでこの4.762を基準に計算していきます。
・・小さ目のクリアランスにあわせればもし何かあっても規定値内に収まるはずだと仮定しました。


やり方としては、2本のコンロッドのビッグエンドを同サイズにラッピングしてオーバーサイズベアリングを計算、購入となるわけです。
コンロッドのビッグエンドをラッピングします。
これはプロに任せます。

で、ビッグエンドが41.302になったわけですが・・・・
クランクピン部分のクリアランスは0.02〜0.04(48〜54年)とあるので

41.302-31.718-0.02=9.584
9.584÷2=4.792
4.792-4.762=0.03
ということは0.03mmオーバーサイズを買えばいいわけです。
つまり0.001インチオーバーですね。
これらを揃えます・・・・・

続くのさ。
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